ラーメンの起源を求めて:中国編
大事件も、すべてその起こりは大河の源のごとく、些細なことに起因する。
byジョナサン・スウィフト
なるほど。僕が学生だったころ、大学の教授で麺について研究している人がいました。正確には食文化について、だったでしょうか。大学の授業にはあまり熱心に出てはいなかった僕でしたが、そのテーマにだけは心惹かれるものがありました。必修でもなく、もちろん単位にさえならないその講義にだけは、可能な限り出席しました。残念ながら講義自体はあまり面白くありませんでしたが(失礼!)、それでも、その講義を取り続けました。
いま考えてみると不思議です。なんでそんなことをしたのだろう、と考えてみるに、当時の僕にとってラーメンなどが(これまた失礼!弁解しておくが僕はラーメンのことを愛している)大学の講義として成り立つというのがとても新鮮だったのです。
そしてこれは僕個人の傾向によるところが大きいのでしょう。どうも、他人から価値がある、ともてはやされるものや、ご立派なものに、なんだかイヤーな印象を感じ取ってしまうたちなのです。(もちろんそれらを非難しているわけではまったくない。あくまで僕「個人」の問題だ)
なのでこういうふざけた(これはもちろん称賛の言葉だ)ものに本気で取り組むことは気分がいいし、それにテーマがあれば旅行は面白くなる。カレーをきわめにインドへ。あらゆる酒を求めて旅をする。怪魚を求めて大河を辿る。面白い旅行はだいたい面白い--そして面白いものはだいたいふざけている--テーマがあります。なのでラーメンの起源を求めて中国へ、というのも悪くないでしょう。シルクロードをたどり小麦のふるさと中央アジアへ、とまではいきませんが「大河の起こりはとるにたらないささいなせせらぎから始まる」ともいいます。これもまぁ一つ真実ではあるでしょう。小さな旅行ではありますが、その記録を読んでいただけたら、うれしいです。
中国編.1<出発>
中国編.2<始まりのラーメン>
中国編.3<誘拐される!>
中国編.4<なんでやねん>
中国編.5<安くするアルヨ>
中国編.6<僕は何て心の狭い人間だったのだろう>
中国編.7<これは廃墟ですか?いいえ、それは人家です>
中国編.8<ブラックホールに捨てないで>
中国編.9<ホステル・ギャラリー>
中国編.10<郊外・ギャラリー>
中国編.11<大同の石仏は世界一ィィィ!!>
中国編.12<最先端軍事機密がつまったルンバ的なモップ>
中国編.13<食べちゃいたいくらいかわいい>
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