ラーメンの起源を求めて<熱風大陸編>

8.<洞窟ホテル>



ペディ

クーパーペディに到着。ここは世界のオパールのほとんどを産出している町で、そこら中に採掘の穴が開いています。
驚いたのですが、今日の宿は洞窟の中に作られていました。それだけでなく人々の住居も地下に作られていて、宿のおやじに聞いてみるとオパール掘りを生業にする彼らは、一年の大半を日光の届かない暗闇の中で仕事をしているため恐るべきことに日の光に弱くなってしまったのだとのことです。
目は退化し肌は青白く、その代わりに耳と鼻の感覚が研ぎ澄まされ、いかなる暗闇の中でも正確にものの位置と材質を把握することができるようで、夕暮れの中を目を閉じた人々がぶつかることなく歩いている様子は座頭市のようでありました……

ホテル

というのはもちろん嘘で、地下にあるのは単純に気温の変化に強いからだそうです。夏は殺人的な日射ですが、冬には氷点下まで気温が下がるこの土地でも、地下に家を作れば年中快適で、そして穴ならそこら中に掘りまくってあるからそれを使えばいいではないか、ということでこういう景観が出来上がったそうです。なるほどね。そしてそのいくつかを観光客に洞窟ホテルということでオパール掘りに並ぶ町の産業として売り出しているらしい。

部屋

部屋の壁も土でできていて、スターウォーズのタトゥイーンみたいでしたね。試しに壁をひっかいてみたらぼろぼろと崩れていった。(まぁ崩すなよって話なんですが、つい……)

煙突

この町の郊外は映画マッドマックスや、ピッチブラックのロケに使われたこともあるそうです。さて、マッドマックスの舞台になっただけあって、この大陸の蠅どももかなり世紀末な感じです。オーストラリアの内陸部を走ったならば蠅について触れないわけにはいかないでしょう。
まあとにかく数は多いのですが、それ以上に性質が悪い。休憩のために少しでもバイクを止めようものなら、たちどころに数百匹の蠅どもが群がってきます。こいつらが顔めがけてぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん飛びまわり、顔に着地し、顔中をべろべろ嘗め回しながら這い回るわけです。耳だろうが目だろうが鼻だろうが口だろうがお構いなし。

最初のうちはただただ嫌でたまらないのですが、数日するうちに、ちょっとは彼らの心もわかるようになってきます。

悟りの境地っていうやつですかね。彼らには彼らの文化があるのだ、と。違う考えを持つ者同士が、互いに歩み寄ることを考えれば世界も少しは平和になるはずです。ジョン・レノンも言っているではないですか、愛があれば世界から争いなんてなくなるんだ、って。ラブ・アンド・ピース。

計量器

というわけで彼らの言葉を訳すと大体次のような感じです

蠅A「ブヒャヒャヒャヒャ!!!」
蠅B「ヒャッハー――!水だ水だ!」
蠅C「奪え!奪え!ぶち殺せ!」

……。

まぁ世界が平和になる日はまだまだ先になりそうですね。ごめんよ、ジョン。

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