ラーメンの起源を求めて<熱風大陸編>

3.<ペン先はたちまち乾燥してしまい使い物にならなかった>



荒野

さて、バイク乗りのツーリングで一番気になるのはお天気です。だが気になるオーストラリアの気候については、子供のころに読んだオーストラリアの冒険記(確かハヤカワから出ていたはず……)、「恐るべき空白」の記憶があるので全く問題ない。アラン・ムーアヘッドなる人物の手によって書かれたこの本の中で印象に残っている部分は二つ。一つはオーストラリアの気候について。もう一つはまた後程。以下引用(たしかこんなんだったはず)。

「熱のために箱の釘は抜け、髪の毛は伸びなくなり、爪はもろくなって割れた。初め日記をつけていたがこれがもう書けなくなった。鉛筆の芯が飛び出し、ペンを使えばインクが紙に触れたとたんに乾いてしまった。真夏の気温は比類ない。日陰でも50度を超え、日差しの下では温度計は70度を示した」らしい。

当時オーストラリア内陸部には豊かな湖があると考えられていたようです。それは全く根拠のない夢想などではなくて、沿岸部に流れる多くの川が内陸部の同じ地点から流れ出ているとされていたからです。

この全くの空白地帯である地域の全容を明らかにし、大陸を縦断することが彼らの目的だったわけですね。この世紀の大冒険は膨大な資金と人々の熱狂的な期待のもとに行われ、想像を絶する苦難をバーク率いる探検隊はその勇気をもって乗り越え大陸を横断し、そして内陸部には桃源郷のごとき湖など存在せず、人が生きるにはあまりにも過酷な死の荒野がただひたすらに広がっていることを明らかにしました。ただ彼らにとって誤算だったのは、その環境が想像よりもはるかに過酷だったことと、その過酷さを自らの死をもって証明することになってしまった、ということでしょう。1861年、探検隊は遭難し、壊滅してしまいます。

そして2018年、水不足にも、強烈な熱射にも耐えられるよう近代的な装備に身を包み、万全で迎えたオーストラリア、メルボルン近郊。

雨

ザー。

……。

雨やんけ。てかめっちゃ寒いやんけ。

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