ラーメンの起源を求めて<熱風大陸編>

15.<〆のラーメン>



海

油断していました。

まさかこんなところで出会ってしまうとは。

結局旅行の終点ダーウィンには予定通り到着し、数日を何をするでもなく、一日ホテルでぐーたらして過ごすか、ふらりと散歩に出かけるぐらいだったため、たるみきっていました。

こんなところにあったとは。

こんなところに、至高のベンチが……。

心地よく湿った海風。熱帯地方の陽気な日差し。かすかに聞こえる潮騒。そして風に合わせて優しく揺れる木陰。

僕が以前、今治から茨城まで自転車で旅行した時は、そのほぼすべてを路上かベンチの上で夜を過ごしました。そして旅行するうちに、目が肥えてくるのです。ここはいいベンチだな、と。

だが、たいていこれはと思ったベンチにはホームレスの方々が先着していて、僕のような新参者は入ることができなかった。

僕は悔しかった。本当に悔しかった。そしてその都度思ったものです。

いつか必ず。
いつか必ず、俺もこんな立派なベンチに寝泊まりできるような男になってやる、と。

夢はあきらめなければかなうものですね。

ラーメン

ダーウィンはそこそこ大きな町なのですが、なんと和風ラーメンが見つからない……。かといって中華風ラーメンにも飽きてしまったので、趣向を変えてタイ風ラーメンへ。鶏肉はおいしいし野菜もうまいが、なんか違う。味は濃いけど、だしが出ていない、って感じでしょうか。あとは香草が苦手なので、僕的にはいまいちでした。

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